RESEARCHER’S EYE

リサーチャーズ アイ

協力者求ム:シカ目撃モニタリング調査

芦生では、シカの過採食による植生衰退や渓流水質の変化が生じています。シカが増えているのか減っているのかを把握していくことは芦生の生態系を保全していくために非常に重要です。芦生ではシカ生息密度指標の1つとして自動車で林道を走行中のシカ目撃数の調査をしています。この調査は自分の調査の「ついでに」調査をすることが可能です。年に数回しかできなくてもかまいません。調査協力者を募集しています。みなさんの調査の積み重ねが「力」になります。下記の文章をお読みいただき、ご協力いただける方はこちらから調査要領と調査票をダウンロードいただけます。

調査概要

研究林内のルートA~F(地図参考)のいずれかを移動する際に、目撃したシカの数を記録してください。鳴き声は含めません。調査者がルート上にいる場合は、シカがルート終点より前方にいても記録してください。もっとも大事なのは、目撃したときだけではなく目撃しなかったという場合もゼロ(0)として記入していただくことです。「目撃しなかった」も重要な情報です。ルートの開始地点はルートの両端のどちらからでも構いません。ルートの途中までしか移動しない場合はシカを目撃しても記入しないでください。1日のうち、同じルートを何度か移動する場合も残らず記入してください。ただし、2台以上の車で連なって走行する場合は、先頭の車だけ調査を行ってください。

調査目的

芦生では、シカの個体群動態を明らかにするために区画法やセンサーカメラ等を利用した生息密度指標調査が行われています。シカ目撃モニタリング調査は「ついでに」調査をしてもらうことで先の2つの調査に比べて、大量のデータを簡易的に取得可能です。複数の調査・大量のデータを分析・統合することで、より精度の高い個体数推定が可能になり、シカの順応的管理のための基礎データになります。

これまでの成果

2006年9月1日~2018年12月31日までで180, 002件のデータが収集されました。季節的には秋に目撃しやすく、1日のうちでは朝と夕方に目撃しやすい傾向にあります。また、天気の影響は今のところ検出されていません。一般化加法モデルで解析したところ、2008年~2010年の間では2010年に目撃数が多かったことが示されています。近年、目撃数は減少傾向です。雪の影響や有害駆除数との関係について現在解析中です。

ご協力いただける方はこちらより調査要領と調査票をダウンロードいただけます。

参考文献

Mizuki Inoue, Sakaguchi Shota, Fukushima Keitaro, Sakai Masaru, Takayanagi Atsushi, Fujiki Daisuke, Yamasaki Michimasa. Among-year variation in deer population density index estimated from road count surveys. Journal of Forest Research 18:491-497, 2013

図1:林道走行中に斜面にいたシカ
図2:1回の目撃調査あたりの期待値。モデルは現在、鋭意改良中です。